ブラウザMC☆あくしずの施設設置コストの考察誤りについて

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最近,ブラウザゲーにハマっている.
やっているのは,ブラウザ MC☆あくしず -鋼鉄の戦姫- というやつ.
ブラウザ三国志(略してブラ三)の移植ゲーの一つである.

目的は,戦争して世界征服するとかそいういう感じで,戦力をいかに効率良く整えるかが重要である.
戦力を整えるには,2つの手段がある.1つは街に施設を作って,兵隊を生産する方法である.
もう1つは,100枚を上限(無課金の場合)に集められるキャラクタを育成する方法である.
キャラの入手方法はカードダスと同じ要領で,運とリアルマネーのつぎ込み方によって,性能の高いキャラを入手できるか否かが決まる(トレードは省略).
強いキャラがいた方が有利だが,最終局面での強さは,施設設置効率やキャラの強さによって得られた生産性を生かし,整えた兵隊の数とランクに左右されることが多い.

んで,興味を持った人は記事右に表示されるバナーから登録してチュートリアルを一通りクリアしてもらいたい.
私はワールド5にいるけど,途中参戦はちょっと厳しいかも.

前置きはこのくらいとして…
本記事では,ブラウザMC☆あくしずの資源施設の効率について考察してみたい.
多くの記事では,設置済の施設のレベルアップに必要な材料の総量と,その効果を比較していることが多い.
(例:
日々是精進@ブラウザ三国志 拠点の育て方 生産施設の最適Lvは?
資源回収までの日数 研究/考察 ブラウザ三国志攻略データwiki
資源施設について|ブラウザ三国志プレイ日記
などなど…枚挙に暇がない)
※ブラ三とあくしずは,生産コストと生産量が同じなので,ブラ三のデータでも気にしないこと

資源施設に限って言えば,
私は,lv x の施設建設に必要な lv 1 からの累積コストを,lv x の生産量で回収するトータルコストの回収モデルが妥当だと思うのだが,なぜ多くの記事では lv x-1 から lv x へレベルを上げる時の コスト差分vs生産量差分 に着目するのか不思議でならない.
誤った結果を示すからである.

例えば lv 1 の生産施設は 10秒 で建設が完了し,lv 2 の生産施設は 30秒 で建設が完了する.
lv 1 の生産施設の材料分の生産を lv 1 の生産施設が上げるまでの時間は 16.67hour である.
さてここで,lv 2 の建設コストを lv 1 から lv 2 への生産量の増分で回収する場合 31.38h 必要であるが,16.67h 経過時点で lv 1 の生産コストの回収は終えているのだから,残りの時間は lv 2 の総生産量で回収できる時間を算定すべきである.
例えば,lv 1 の建設後,1時間してから lv2 を建設した場合,トータルコストの回収は 25h 経過後である.

施設建設後,すぐに次の施設建設にとりかかることにする場合,lv15 までの建設総コストの回収は 1106h = 46.1day で回収できる.

あくしず 資源施設 建設シミュレーション(lv15)
そのシミュレーションは,右図の通りである.
ここで,縦軸=資源総量,横軸=経過時間(h)である.
例えば,継ぎ目なく建設を続けた場合の,建設開始から 10日後 の収支は,横軸のラベルが 240 の時の縦軸の値で, -541,947 である.

さて,ここまで真面目に考察すれば当然のことであるが,よく言われている

レベル15になると、例えゲームが開始した瞬間に即完了でレベル15を建てたとして(無理ですが)
ぎりぎり回収が可能、という計算になってしまいますね。

日々是精進@ブラウザ三国志 拠点の育て方 生産施設の最適Lvは?

なんてことはあり得ない.
だいたい,lv 1 の建設コストを,lv 1 の施設の低い生産効率で回収する必要など全くないのだから,差分分析は机上の空論である.

とはいえ,これでは lv 14 と比較して lv 15 が効率的か否かを検証できていない.
そこで,lv 8~15 の各レベルまで建設した後の収支を算定してみる.

あくしず 資源施設 建設シミュレーション 比較(lv8-15)
その結果が右図である.
こうして比較すると,収支は黒字になるものの lv 14 の収支を lv 15 では 120day = 2880h では逆転できないことが分かる.
ブラウザMC☆あくしず の 1ゲーム は4ヶ月であるので,建設材料さえ確保できれば,lv14が最も収支が良いことが分かる.

勿論,これは建設に十分な資源がある前提であるので,ゲーム序盤では建設間隔がもっと開く.
例えば,lv 14 の建設に必要な材料の調達に,37日以上かかる場合は,lv 14 と lv 13 の資源施設と収支逆転ラインの 83day が残っていないことから,途中レベルの建設がいつ時点で可能か計算した上で,収支算定の修正が必要である.
また,十分回収可能な期間を経過後に lv x → lv x+1 へレベルアップした時のコスト効率は,差分コストの分析でも正しい.

--- 以下,付録 ---

さて,今回の考察では,なぜこんな差分が生まれたのか.
あくしず 資源施設 建設コスト(累積,差分)
それは,右図を見れば明らかである.
ここで,縦軸=コスト/生産量,横軸=施設レベルである.
累積コスト1のグラフ(マゼンタ)は,そのレベルの施設を建設するまでに lv 1 の建設から必要な累積のコストを,最終生産量で除算したものを施設レベル毎にプロットしたもので,
差分コスト1のグラフ(ネイビー)は,そのレベルの施設を建設するために必要な,最後の建設のコスト(差分のコスト)を,そのレベルアップで増加する生産量(差分の生産量)で除算したものを施設レベル毎にプロットしたものである.
1の収入に対する累積コストは,施設のレベルアップに対して一次関数的に増加するのに対して,
1の差分収入に対する差分コストは,施設のレベルアップに対して二次関数的に増加する.
この差分が,考察の違いとなって表われている.

なお,これら算定には Microsoft Excel を用いており,そのシートを置いておくので,詳しく知りたい人は参照されたい.
あくしず 資源施設シミュレーションファイル

--- 以下,付録2 ---

別の観点で,建設が生産に結びつかない兵舎と駐屯地について,収容兵数辺りのコストを総コストの観点と差分分析の観点から比較すると面白いことが分かる.
あくしず 兵舎vs駐屯地 総コストの観点から
あくしず 兵舎vs駐屯地 差分分析の観点から
ここで,縦軸は先の考察と同様に,
総コストの側は 各レベルの施設の建設に必要な lv 1 の建設からの総コストを,収容兵数で除算したものであり,
差分分析の側は 各レベルの施設の建設で最終建設に必要なコストを,最終建設で増員される兵数で除算したものである.
横軸は,施設レベルである.
注意すべきは,建設が生産に結びつかないことから,この施設については差分分析が可能であり,lv 15 の施設建設における差分分析の結果が逆転していることが,
総コストの観点から見た収容効率の差が縮まることと合致している.
前の算定と同様に,算定ファイルを置いておく.
あくしず 兵舎vs駐屯地 シミュレーションファイル

--- 注意 ---

実際のゲームでは,パネルを1つ使うコストが大きく,施設単体のコスト対効果が劣っていても,パネル消費が少なく総収容数や総生産量が大きい施設を建設するなどの判断が必要である.

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