Windows の起動に失敗する場合の修復
tech windows repair
Lastmod: 2020-07-05

知人のノートPCがフリーズし強制電源断もできなくなったため,対応依頼がまわってき た時のメモ.

環境

description
機種 dynabook T45
OS Windows 10 Home

電源が切れない時の対応

電源ボタン長押しで切れるでしょ?と思うところだが,確かに聞いていた通り,ずっと 電源ボタンを押していても落とせなかった.
幸い,この機種はバッテリーの取り外し可能なノートPCだったので,バッテリーを外し て電源供給をなくすことで落とした.

起動しない場合の対応

メーカーロゴが出るか出ないかで,HWの故障かブートローダ以降の故障かを切り分け る.
本件では,dynabookのロゴは出るのでブートローダが破損している可能性を考えた.

Windowsがブートしない場合の対応

Windows の起動画面すら出ないため,ブートローダ破損を疑った. dynabookの場合は F2 キーを押したまま起動することで UEFI BIOS に入れる.

UEFI BIOS では,まず Secure Boot を切っておく.(←後で戻し忘れやすいので注意)
続いて Boot 順を Windows Boot Manager より前に HDD を持ってきてみる.

もしこれで起動しない場合,Windows 10 修復ディスクを作成してコンソールを叩く必要 があったが,幸いにして上記によりスタートアップの修復画面が出た.

  • 再起動
  • 詳細オプション

の選択画面となったので,詳細オプションを選択する.

続いて,オプションの選択画面になる. 以降の画面遷移は症状により異なるが,とにかく詳細オプション画面に遷移するように 進める.
今回は以下の選択肢だった.

  • 続行
  • デバイスの使用
  • トラブルシューティング
  • PCの電源を切る

ここでは,トラブルシューティングを選択する.

次は,以下のような選択肢が出るようになる.

  • システムの復元
  • イメージでシステムを回復
  • スタートアップ修復
  • コマンドプロンプト
  • スタートアップ設定
  • 以前のバージョンに戻す

ここで,スタートアップ修復を 最低2回 選択する.
そこらの説明は以下が詳しい.
Windowsが起動しなくなった時の「スタートアップ修復」は2~3回行う - ぼくんちのTV 別館

私の場合は,先にコマンドプロンプトからBCDの再作成や修復をしようとしたが,アクセ スが拒否されて実行できなかった. しかしスタートアップ修復を2回実施したところ,Windowsの起動まではこぎつけること ができたのだった.

Windowsがブートしなくなった原因を調べる

イベントビューアを見ても良いのだが,まずだいたいの当たりとして以下を疑う.

  • Windows Update
  • ウイルス対策ソフト
  • ウイルス・ワーム等の類

今回は利用者の性格や利用目的からして,ウイルスの可能性は低いとみて,Windows Updateを当ててトラブルが再現するか確認することにした.
一度はアップデートに成功した. しかし,2回目以降でエラーコード 0x8024a105 を返し更新不可となった.
また,バージョン 1909 が適用できない状態となっていた.

ウイルス対策ソフトについて

また,Windows の動作が異様に重いことも気になり,ウイルスバスターを疑った. あまりに重く,これからの修復作業で何度も再起動するであろうことを考えるとうんざ りしたこと,また有償ソフトを活用できているとは到底思えないこと,加えて本機では 当月内にライセンスが切れることから,削除することにした.

これは私見だが…
有償サポートを利用する機会の多い商用利用では,独立したプロダクトとして提供され るウイルス対策ソフトを利用するメリットが多いものの,トラブル時に有償サポートを 利用する機会の少ない個人利用ではメリットは少ないと感じている.

また,Microsoft Security Essential の時代は心許なかったが, Windows 10 くらいから Windows Defenderの機能が強化されてきており, 個人がネットサーフする上ではおおよそのリスクを防げるようになってきた.
完璧とは言わないが,それはどのセキュリティ対策ソフトでも同様であるし, 個人利用はWindows Defenderで十分だと私は考える.

ということで,ウイルスバスターは削除した. その結果,全ての常駐ソフトが起動しきるまでの時間が,ざっと体感で 5分の1(5分→1分)くらいに縮んだ.

ただし,Windows Defender のウイルス対策において,エンジン利用不可のエラーを吐き 更新等もできなくなっていた.

Windows Update を正常動作させる

公式トラブルシュート

Windows Defender も Windows Update を利用して更新されることから,Windows Update の正常化が先決と考えた.

こちらを参考に上から順に適用していく. Windows 10 の更新に関する問題のトラブルシューティング - Windows Help

  1. ドライブの空き容量 ⇒十分にある.800GBくらいあまっている.
  2. 再起動してインストールされた更新プログラムを適用する ⇒そのようなオプションは出ない. またこのタイミングでエラーコードを調べたところ,どうも Windowsのサービス スタック更新時に出ることがあるエラーらしい.
  3. Windows Updateをもう一度実行する ⇒何度もやっとるわ!
  4. 以降の選択肢はどれも該当しないため,このページは諦めた.

非公式トラブルシュート

まず最初に,管理者権限を多様する作業で,はっきりと情報源の分からない記事は 参照すべきではない. ただ手作業で実施する分には問題なかろうと,以下のページを見付け作業内容を参考 にした. 一番上にある「MUST TRY」はやってない.やらない方がいいと思う.

注意:非公式サイト(?) だと思います→How to Fix 0x8024a105 Windows 10 Error During Updates Installation

さて,ざっと流し読みしたところ,要するに Windows Update を初期化するのが良さそ うである.

まず Windows に組込まれたトラブルシュートを適用するとあったのでやってみた.

  1. スタートメニューの設定(歯車アイコン)
  2. 更新とセキュリティ
  3. トラブルシューティング
  4. Windows Update
  5. トラブルシューティング ツールの実行

何もエラーが出ない.やっぱダメ.

次に,公式tech blogのツールを利用することにした. 上のサイトからもリンクされているが,はっきり言って辿りつけないと思うので再掲す る.

Script Reset Windows Update Agent

ResetWUEng.zip を落とすと,色々入っているが,ResetWUEng.cmd というファイルが お目当てのスクリプトファイルである. 一応中身を見てみたが,要は更新に関係するサービスを停止し,キャッシュ等の一時 ファイルを削除(リネームして見えなくする)するものらしい.

  1. 管理者権限で実行する
  2. Yを選択
  3. 2. Resets the Windows Update Components.

さて,しかしながら C:\Windows\SoftwareDistribution のリネームで応答がなくな る. エクスプローラを開いて手でリネームしようとしても他のプロセスにロックされて リネームできないことから,セーフモードで削除してしまうことにした.

ちなみに,このツールはセーフモードでは動作してくれなかった.

セーフモードで起動するには,こんなに手順が必要になっている…

  1. スタートメニューの設定(歯車アイコン)
  2. 更新とセキュリティ
  3. 回復
  4. PCの起動をカスタマイズする
  5. 今すぐ再起動
  6. 再起動するのを待つ
  7. トラブルシューティング
  8. 詳細オプション
  9. スタートアップ設定
  10. もう一度再起動するのを待つ
  11. 4を押す(セーフモードを有効にする)

セーフモードで起動すれば,C:\Windows\SoftwareDistribution をいじれるように なっているので,削除してやった. 心配な人はリネームすればいいと思うけど,残しておいて有効活用できる人はあまりい ない気も…

で,通常再起動して,あらためてResetWUEngを実行する. やはりエラーが出る.

しかし,Windows Updateをしてみると,1909をダウンロードし始めたので,そのまま適 用してみることにした.

再起動を要求された後,Windows Updateは正常化され,Windows Defenderも正常動作し, 他にエラーも見られなくなったため対応完了とした.

あとは,UEFI BIOS で,Secure Bootを戻しておけばOK.

comments powered by Disqus